「推し」と「私」は、どこにいる?|9つの位置で見る距離感(中編)

白を基調にしたノート風デザインのアイキャッチ画像。 左側には「『推し』と『私』は、どこにいる?|9つの位置で見る距離感(中編)」というタイトルが大きく配置され、「感情を、構造で見てみる。」という小さなサブテキストが添えられている。 右側には、ペンとリングノートのイラストが描かれており、ノート内には円の重なりで構成された複数の関係図が並んでいる。 全体的に余白が多く、静かな観察や思考整理をイメージさせるミニマルなデザイン。 感覚・認識・観察
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📎 この記事は前回の続きです。

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[『推し』という言葉と、“同担拒否”を構造で見てみた話(前編)]

前回は、「同担拒否」という感情がわからなくて、 でもそれは愛の深さの差じゃなくて、 推しと自分の”位置関係”の話なんじゃないか── というところまで来ました。

今回は、DoubRingの9パターンを使って、 まず「推しと私は、どこにいるのか」の
位置確認をします。

他のファンの存在は、この記事ではいったん全部外します。 シンプルに、推しと自分、ふたつの円だけ。 自分が推しをどう感じているか、という内面だけにフォーカスします。

※図の「主」は「推し」のことです。当時のノートの書き方のまま載せてます。

「“主”と“私””の位置関係を9パターンで整理した手描き風の図。
1〜9までのマスに、それぞれ大小や重なり方の異なる円が描かれており、“主”と“私”の距離感・包まれ方・交差の違いを視覚化している。
“主”と“私””の位置関係を9パターンで整理した手描き風の図。

9つのパターンは、ざっくり3グループに分かれます。

分離──交わらない(1・4・7)

円が交わらないグループ。 推しは、自分の外側にいる。

好きだけど、あの人はあの人。 配信でライブを眺めるだけとか、
作品世界を静かに鑑賞している感じ。

惹かれてはいる。 でも、自分の世界とは分かれている。

“主”と“私”の位置関係を3パターンで整理した図。
1・4・7・の番号ごとに、“主”と“私”を表す円の大きさや距離、重なり方が異なっている。
1・4・7の番号ごとに、“主”と“私”を表す円の大きさや距離、重なり方が異なっている。

交差──少し重なる(2・5・8)

推しが、自分の中に少しだけ入っているグループ。

ふと曲を聴くと元気が出るとか、 セリフが背中を押してくれるとか。
日常の小さなところに、推しの影響が出ている状態。

「特別」というより、「共にある」に近い。
生活ごと、少し影響を受けたりするのもここかなぁ。

“主”と“私”の位置関係を3パターンで整理した図。
2・5・8の番号ごとに、“主”と“私”を表す円の大きさや距離、重なり方が異なっている。
2・5・8の番号ごとに、“主”と“私”を表す円の大きさや距離、重なり方が異なっている。

包絡──どちらかが包む(3・6・9)

どちらかの円が、もう片方を包んでいるグループ。 ここ、包み方が2方向あります。

ひとつは、推しが自分を包むパターン。
会場の空気と音と光に飲み込まれている観客みたいに、
自分が「推しという大きな世界」の中の一人になっている状態。

もうひとつは、自分が推しを包むパターン。
作品や曲や言葉が心の核にあって、 自分の世界の一部として推しを抱えている状態。
他人がどう思おうと、自分の中の推しは変わらない。

そして、その真ん中にあるのが6。
推しと自分の円が、完全に重なっている状態。
包む・包まれるの方向すらなくて、境界がない。
「推し=自分」になっている。

“主”と“私”の包まれ方・一体化の違いを3パターンで整理した図。
3は“大きな主の円の中に私が包まれている”状態、6は“主と私がひとつの円として完全に重なっている”状態、9は“大きな私の円の中に主が存在している”状態を表している。
それぞれの位置関係や境界の違いを、シンプルな円の構造で視覚化した比較図。
“主”と“私”の包まれ方・一体化の違いを3パターンで整理した図。

ちなみに私の場合、位置は動く

この位置、固定じゃないんですよ。 たとえばライブだと──

入場前は、分離(1)。あの人は遠い世界の人。
開演中は、包まれる(3)。世界の中に自分が溶ける。
帰り道も、まだ(3)。もう終わってるんだけど、まだ世界から出られてない(笑)
家に帰って、(9)。自分の心の中に、大事にしまい込む。


数時間のあいだでも、推しとの距離はスライドする。

だから「自分はこのパターン!」と固定しなくて大丈夫。 「いまの自分は、ここにいるっぽいな」 くらいの感覚でいい。

数時間のあいだでも“主との距離”はスライドします。

「“主”と“私””の位置関係を9パターンで整理した手描き風の図。
1〜9までのマスに、それぞれ大小や重なり方の異なる円が描かれており、“主”と“私”の距離感・包まれ方・交差の違いを視覚化している。
あなたはどの感覚ですか?

他者を抜くと、見えてくるもの

他のファンを抜いて考えると、 対人感情じゃなくて、「内面の位置」が見えてきます。

外側から見ているのか。
一部になっているのか。
包んでいるのか、包まれているのか。

この「推しとの位置」が決まると、 あとから他のファンが入ってきたとき、
どこで違和感が生まれるのかが整理しやすくなる。

📚 参考にした本
『具体と抽象トレーニング』/細谷功 著
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※この本に「DoubRing」の概念そのものが詳しく書かれているわけではなく、
感情や構造を“整理して見る”という考え方のベースとして
『具体と抽象トレーニング』の考え方を参考にしました。


次の記事で、いよいよ「他のファン」を登場させます。
同担拒否は、どの位置で起こるのか。

(後編へつづく)