松島に行った日のことだ。

観光地特有のざわざわと、潮の匂い。
人の声と鳥の声が混じっている。
遠くの方からなんか鳥が来た。
「わぁ…」

Mの形の鳥だ、あいつはかもめだw
すぃーっと気持ちよさそうに私の頭上をくるくる回っている。
私見入ってしまって。
だって同じところをくるくるしてるから。
距離もまぁまぁ近いし。結構びびる。
なんか食べ物狙ってる? 私、何も持ってないよ?
でも観察してたら、
「美しい…」 って思ったんだよね。
風に乗る、飛ぶ…という感覚はどんな感じなんだろう。
そもそも君はなぜそんなMの形なの?わかりやすいわね…
あとで調べてみよう…。
風に乗る感覚は、人間の乗り物で一番近いのって、バイクかな?
君が見ている景色はどんな感じ?
ほんの一瞬でいいから交換してほしいくらい。
いいなぁ…空飛んでみたい。
これが、私の「わぁ…」の正体だ。
じゃあ、ならない人はどうなのか。
「なんか、鳥きた」
「あ、カモメだ」
—終わり。
…この差はなんだろう?
たぶん、
“感じ方の回路がちがう”
というだけなんだと思う。
ある人は「ただの鳥」。
ある人は「風と羽の関係」まで見える。
ある人は「空気の流れ」に目がいく。
この違いって、
言葉にしないと存在すら気づかない。
言葉にしても、伝わるかどうかは別問題。
最近ようやく、
「私が感じていることは、多くの人が感じていることではない」
という当たり前に気づいた。
でもその“違い”こそ面白いんじゃないかと、
カモメにくるくる見下ろされながら思ったのだった。
こういう感じ方の違いは、
きっと人生でもずっと続いているのだろうなと思う。
でも、その違いがあるからこそ、
私には私だけの“わぁ”があるのかもしれない。

